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自律型人材とは、狭義では「周囲(上司や先輩)から指示を受けずに、自らの判断で能動的に業務を遂行できる人材」を指します。
広義でいえば、業務単位ではなく自律的なキャリアを含む場合や、単純に決められた業務を完遂するだけでなく、環境の変化に合わせた柔軟な対応を含む場合があります。
■ 用語が生まれた背景
新入社員を含む若手社員にありがちな「他律型人材(いわゆる「指示待ち社員」)との対比で使われるようになった言葉です。2000年以降は、変化の激しい時代(「VUCA」、「ニューノーマル」など)にあっても臨機応変に対応せざるを得ない企業が、社員に期待する理想の人材像として用いられることが増えています。
■ 用語が使われる場面・具体例
また、個人の働き方の多様化や政府による働き方改革の推進により、これまで日本企業の典型的な雇用スタイルであった「メンバーシップ型雇用」(終身雇用を前提に総合職を採用し、配置転換しながら経験を積ませる雇用スタイル)とは異なる、「ジョブ型雇用」(職務内容・勤務地・時間などの条件が明示される雇用システム)が関心を集める中で、専門性や個別的な成果を高める“自律性”が重要になってきました。加えて、新型コロナウイルスの感染が拡大したことに伴うテレワーク(在宅勤務)の普及も自己管理・自己研鑽を基本とする自律型人材へのニーズを増大させています。
【自律型人材の特徴】
特徴1:主体的に業務に取り組める
自分に課せられた役割や期待をしっかりと理解しており、他者との関わりの中で自分の能力を発揮することができます。
組織の目的、重視している価値観や行動規範に照らして、適切な判断にもとづいた行動を優先します(自分勝手な判断で行動するわけではありません)。
特徴2:自身の行動に対する責任感が高い
自分の意志で行動することで自らの行動への責任感も高くなり、目標達成へのコミットメントが生まれたり、成果が出るまで粘り強く行動することを心がけます。成果にこだわる姿勢が問題解決への意識を高め、リーダーシップを発揮する傾向が強くなります。
特徴3:組織目標に高い関心をもち、周囲を巻き込める
自律型人材は主体的に業務に取り組む前提として組織目標を重視するため、結果的に周囲を巻き込みやすくなります。なお、自律型人材と相性がよい組織としては、「ホラクラシー型組織」(役職や階級のないフラットな組織)や「ティール組織」(目的達成のために、組織のメンバー全員が個別に自己決定を行う自律型組織)が挙げられます。
コンピテンシーとは、一言でいうと、優れた成果を達成するための戦略的行動特性である。具体的には、職種・職務・役割に応じて優れた成果を発揮するために必要な知識やスキル、行動特性を整理・分類し、いくつかのキーワードによってモデル化したものを指す。人事制度分野におけるコンピテンシーの活用範囲は幅広く、採用・能力開発・処遇・昇格などの各分野において、コンピテンシーの考え方を採用するケースが増えている。
コンピテンシーは、会社が求める人材像を行動レベルで示したものであるといえるため、コンピテンシーモデルを構築する上では、会社が個人に期待する貢献とはどのようなものか、何を以って高い業績を上げたと判断するのかを慎重に検討する必要があり、このプロセスを誤ると、社員の納得性を得ることは難しい。また、事業環境変化に伴い、社員に求められる知識・スキル・行動特性も日々刻々と変化するため、コンピテンシーモデルの見直し・メンテナンスにはかなりの煩雑さを要する。
コンピテンシー導入を見送る企業、導入に失敗した企業も少なくないという背景には、このような導入後の運用面の問題が大きく立ちはだかっているようだ。
企業が経営目標を達成しつつ、継続的な成長・発展を成し遂げるためには、人材の育成についても中長期的な視点で取り組む必要がある。そのために、個人の能力開発も経営・組織全体との有機的な関連を持たせ、体系化することが重要になってくる。人材開発プログラム体系は、大きく3つのタイプに分類される。
最近では、1)のような受講者ありきの研修よりもむしろ2)や3)のような目的ありきの研修が重視される傾向が強く、また、階層や職能、部門の壁を越えたプロジェクト形式での、より実践的な研修が増えている。いずれにせよ、人材開発プログラム体系は、その時々の時代の要請や企業環境の変化に応じて、随時適切な見直しを図る必要があるといえる。
企業における社員教育の基本形態は3つあると言われている。
1) OJT 2) Off-JT 3) 自己啓発
ワークアウトとは、かつてGEのCEOであったジャック・ウェルチ氏が1988年に提起した概念であり、できる限り現場に近いところへ問題解決と業務改善をエンパワーメント(権限委譲)し、迅速かつ集中的に意思決定するためのプロセスのことを指す。
GEでは、1990年代に入ってこのワークアウトが日常化し、1992年にはチェンジ・アクセラレーション・プログラム(CAP)へと発展し、全社的な業務変革に取り組むための体系へと進化した。
具体的には、ある課題について豊富な経験と知識を持つメンバーが集まりチームをつくり、さまざまな方向に課題を展開しながら、課題解決のための行動計画を作成する。
さらに、このチームは自らの行動計画の実行に加えて、計画が実行されたかを確認するためのフォローアップまでを実施する。こういった現場参画型のワークアウトは、問題解決という観点のみならず、自立した人材を育てるという人材育成の観点からも注目される仕組みであるといえる。
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